FREE-MEN(紫)

 西鉄天神大牟田線の紫駅。太宰府などに行く時に何度も乗っている電車なのに、今回来るまでこの駅の存在を知らなかった。そんな紫駅から歩いてすぐの場所に2021年12月オープンした新店。筑紫野は微妙に遠い感覚があって、12月はタイミング合わず来られなかったのだがようやくの訪問。カフェのような雰囲気のオシャレなお店。『肥後丸乃屋』の塩唐揚げテイクアウト業態も併設している。

 店主の河原慎治さんは、一風堂暖簾分け店主として長年のキャリアを持つベテラン。気がつけば長い付き合いになる古い仲間が、こうして新たなスタートを切ることは自分のことのように嬉しくなる。やはり一風堂のOBが同じタイミングでオープンした『博多文福』は味噌ラーメン専門店なのに対して、こちらは真っ向勝負の豚骨一本をメニューに据える。

 さすが豚骨一筋23年のベテラン職人。まったく隙の無い豚骨ラーメン。頭骨や丸骨を丁寧に炊いたスープは、粘度はそれほど高くないのにしっかりとフレッシュな骨味がある。この味は老若男女が美味しいと感じるのではないだろうか。地元二日市のゑびす醤油を使った醤油ダレとのバランスも良く、まろやかで優しいながらも豚骨の旨味があふれてい流のだ。そして古き良き博多ラーメンを思わせる、やや平打ち気味の自家製ストレート麺も良い。

 こういう豚骨は福岡にありそうでなさそうな。全国的に見ても探すのが難しいかも知れない。しっかりオンリーワンにもなっているラーメン。これを豚骨というカテゴリで、しかも福岡でやっているのは素晴らしい。ここ数年の豚骨ラーメンの新店では頭ひとつ抜けている印象だ。身内贔屓を抜きにして、忖度なくそう思う。

 


FREE-MEN
福岡県筑紫野市紫1-28-3

西鉄天神大牟田線「紫」駅より徒歩1分

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