福はこび(姪浜)
2021年9月にオープンした『博多一双』の新ブランド店へ、オープン以来の再訪問。山田兄弟が幼い頃に住んでいた姪浜の地に恩返しがしたいと、この場所で50年以上続いた老舗中華料理店『修養軒』の跡地を借り、町中華の再構築にチャレンジしている。ネオノスタルジックがテーマの店だ。
何より厨房から聴こえる音が良い。この店のラーメンはスープとタレを中華鍋で合わせて熱々に焼き上げる。焼飯も卵をたっぷりと使い豪快に鍋を振って作る。常にこの店の厨房からは鍋を振る音が聞こえてくる。これは普通のラーメン店では感じないこと。古き良き町の中華屋さんで聴こえる「美味しい音」だ。
キリリとした表情のスープは、見た目同様にキレのある味わい。油分もしっかりとあって、パンチが効いている。しかしながら、色味ほど塩気は感じず、鶏豚の清湯と鍋で一体になることでまろやかさが出て来る。製麺屋慶史に特注した12日間熟成の縮れ麺との絡みも抜群だ。ちなみにこの醤油ラーメンにはバタートッピングが激しく合う。
パラパラふわふわの焼飯もラーメンに負けない存在感。毎朝店で仕込むという手包み餃子も美味い。いわゆる非豚骨ブームとは無縁の、これから先もずっと愛されるであろうラーメンと焼飯、餃子、そして唐揚げ。オープンして3ヶ月足らずなのに、早くも老舗の食堂のような安定感がある佳店だ。
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