【閉店】博多一幸舎 大名本家(赤坂)

 博多豚骨ラーメンシーンの新進グループの先頭をひた走る一幸舎。現在は都内にも進出を果たして海外での展開も積極的。しかし、落ち着いて考えたら一幸舎の大名本家には行ったことがなかった。盲点というか不覚というか。福岡での本拠の味を確認しておかねばなるまい。
 一幸舎は他の店でもそうなのだが、とにかく店から随分離れた場所であっても豚骨臭が凄まじい。それでいて店内に入るとほとんどそれを感じないのは、それまでに鼻が慣れてしまっているのか、はたまた店内ではそれを感じさせないのか。
 この店出身の博多一双と比べると、比較的おとなしく感じるスープではあるが、それでも博多ラーメンの中で考えれば、濃度が高くこってりとしたスープであることは間違いなく。比較的醤油ダレが甘いのが博多ラーメンの傾向だと思うが、このラーメンはタレもキリっとしていてキレがある。自家製のしなやかな細麺も噛み締めるとしっかり味がある。
 博多豚骨第3世代とも言うべき一幸舎のラーメンは、オールドスタイルの博多ラーメンとは一線を画した、骨の旨味を感じさせて粘度もあるヘビーな存在感。古くから福岡に住み昔ながらの博多ラーメンが好きな人にとっては違和感があるのかも知れないが、間違いなく今の若い人たちがイメージする博多ラーメンはこの店の味なのだろうと思う。

博多一幸舎 大名本家
福岡市中央区大名1-8-4
市営地下鉄空港線「赤坂」駅より徒歩5分


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