麺屋割ぽう ツクリ茸(竹下)
南区清水の住宅街に、2021年10月にオープンした新店へお邪魔。「麺屋割ぽう」という聞き慣れない響きの店名は、昼はラーメン店として、夜は麺を入れた割烹創作料理を出す二毛作営業から来ているよう。昼のラーメンは天草大王を使った掃湯を提供しているようだが、今回は夜のおまかせコースでの訪問。締めには別のラーメンが出て来るとのこと。
那珂川沿いの驚くほどに閑静な住宅街。夜なので余計に静かに感じる路地を入っていくと、古民家を改装した店舗が現れる。若き店主の吉原さんはイタリアンや和食の経験があるとのことで、ある種ボーダーレスな創作料理のコースとなっていた。
締めのラーメンはツクリ茸(マッシュルーム)を使ったポタージュのような一杯。麺は製麺屋慶史の特注麺。味は決して悪くないのだが、油分や塩度などラーメンとしての要諦が捉え切れていない印象を受ける。創作系のラーメンを食べた経験値が少ないのであろうと想像する。
それはコース料理全般にも言えることで、何をどう伝えたいかというメッセージに乏しい。端的に言えば、着地点に迷っているような印象を受けた。コンセプト、ストーリーのブレというか、不安定感というか。メッセージが伝わって来ないのは、この業態ではなかなか厳しい。美味しいだけでは難しいところに手を出している気がする。
真面目で若いご夫婦なので頑張って欲しいのですが、料理しかり接客しかり、いかんせん経験値が足りない気がする。もっと多くの飲食店に足を運んで、客としての経験値を上げるとアウトプットも変わってくると思うのだが。
麺屋割ぽう ツクリ茸
福岡市南区清水2-1-48
JR線「竹下」駅より徒歩12分
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