ラーメン製作所 FUKUMEN（曰佐）
2021年3月末、南区の外れに出来た新店。曰佐と書いて「おさ」と読む場所。これは県外の人間にとってはかなりの難読地名。隣には老舗の「べーやんラーメン」がある長屋立地。スタイリッシュな佇まいのファサードが期待値を上げる。
店内に入ると券売機があり、なんと土足厳禁。厨房に面したＬ字カウンターの他に小上がり席もあり、個人客でもファミリーでも使いやすそう。「FUKUMEN」の店名は「福岡の麺」という意味だと思うが、店内にはいくつもマスクが置かれており、覆面の意味も兼ねているのだろう。東京の人間からすると「覆麺」というラーメン店を想起する。
国産素材、無化調で仕上げた次世代豚骨を謳うラーメンを提供。豚骨のあっさり、こってりと、清湯の醤油ラーメンをメニューに揃えている。ラーメンの設計は要予約の某人気ラーメン店が手掛けたもので、この店の店主と友人なのだとか。
複数名で伺ったので一通りのメニューを食べる事が出来たが、豚骨、醤油両方に言えることだが、スープの塩度がかなり抑えられており、かなりぼんやりとしたイメージになっていた。豚骨はおそらく野菜ペースト的なものも入っているかと思うが、旨味も含めてやや物足りなさを覚えてしまった。
特に豚骨に関しては、あっさりとこってりの差は油の量だけのような違いしか感じ取れないのは残念。濃度にもっと差をつけるとか、こってりは背脂とかマー油を浮かべるとか、視覚的にも分かりやすい差異をつけたり、もっとメリハリがあると良いのだが。麺は製麺屋慶史の角ストレート中太麺で、スープが弱い分、麺とのバランスにも欠けてしまう。
とは言え店主は飲食未経験者でもあり、オープンしてまだ10日ほどという事もあるので、長い目でみてあげたいところ。コンセプトやパッケージのベクトルは決して悪くないし、盛り付け含めて丁寧に作られているのは伝わって来るので、半年くらい経ったら再訪してみたい。
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