二代目 長浜将軍 那珂川本店（博多南）

　1975年に創業した老舗「長浜将軍」が、昨年春にコロナウイルスにより廃業したという報せは、衝撃的に福岡のラーメン界を駆け抜けた。廃業に至った理由や詳細は当事者のみぞ知るところだが、いずれにせよ老舗のラーメン店がなくなってしまったことは寂しく哀しいことだ。

　以前の長浜将軍を食べたのは遥か昔なので比較することは難しいが、良い感じにノスタルジック感も出しつつ物足りなさもなく、今の時代に合わせた絶妙なバランスのラーメンやサイドメニューになっていた。店内に屋台も置いてあり、セルフでおでんやおにぎりを食べられるなど、演出やプレゼンテーションも考えられている。

　新たな看板メニューである「特製将軍ラーメン」は、炒めた野菜が乗っているので、チャンポン的というか、関東のタンメンのような味わいに。ノーマルの「初代長浜ラーメン」はよりシンプルでストレートな味わい。美味しさで言えばやはり野菜の旨味もプラスされた特製将軍になるだろうが、昔ながらの長浜ラーメンを素直に味わいたいなら後者なのだろう。

　焼飯や餃子、唐揚げなどのサイドメニューも無難に美味しい。ラーメン好きな人も家族連れも老若男女に愛されるお店になると思う。いずれにせよ、一度は消えかけた屋号と味がこうして残ったことは喜ばしい。