博多 藪(中洲川端)「カツ丼」

 基本的にカツ丼という食べ物はあまり好まない。それは何となくトンカツの美味しさを損ねてしまっているように感じるからだ。トンカツはカリっとした衣の食感が重要であり、それを出汁で煮て卵でとじるカツ丼は、物理的に衣が出汁を吸い柔らかくなってしまう。だからあまり好きではないのだ。
 深夜の中洲、クラブのあとに「藪のカツ丼を食べた事がありますか?」と聞かれても、さほどテンションが上がらないのは当然のことだ。どんな店であろうと、どんなにカツが美味かろうと、どんなに出汁が良かろうと、カツ丼の構造的な問題は何ら変わらない。ましてや深夜2時にカツ丼て。散々飲み食いした締めがカツ丼て。
 しかし、あぁごめんなさい。このカツ丼は食べて良かった。あまり溶き過ぎずの卵も良いが、何しろカツがふやけていない。香ばしい食感がしっかり残っている。おそらくほとんどカツは煮込む事をせず、タレに軽くくぐらせて卵を乗せただけなのだろう。これならカツの食感も残しつつ、カツ丼としても成立する。濃い目の割り下がしっかりとご飯に染み込んで美味い。深夜2時にこんなものを食べているという背徳感もまたいい。

博多 薮
福岡市博多区中洲4-2-2
市営地下鉄空港線「中洲川端」駅より徒歩5分

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